シラバス – Intensiv G1

ドイツ語 初級I シラバス

 

Lektion 1

●文法のポイント

人称代名詞と動詞の現在人称変化

まずは、英語のIやyouにあたる人称代名詞と、動詞の変化形を勉強しましょう。とりあえず今週は1人称と2人称だけを勉強します。ドイツ語では、話し手と聞き手の親しさの度合によって、2人称の代名詞のdu「きみ」、ihr「きみたち」とSie「あなた(たち)」とを使い分けます。

文の語順

ドイツ語は英語と似ているところがたくさんありますが、似ているだけにかえって小さな違いに注意したいものです。特に大切なのは、「定形(定動詞)はいつも2番目に置く」という規則で、この間違いは、道路交通法でいえば「酒気帯び運転」レベルの重要な違反行為になります。十分に注意してください。

 

●表現のポイント

自己紹介

「発信型」のSFCの外国語教育では、まず自分についてきちんとした情報を発信することが大切になります。そうした練習をクラスメートや先生と積極的にやってみてください。

 

 

Lektion 2

文法のポイント

動詞の現在人称変化(まとめ)

先週は「あなたは…?」「私は…」という、一人称、二人称だけで話が展開しましたが、今週はそこに「彼、彼女、彼ら」という三人称が加わります。

sprechen型の不規則動詞

ドイツ語の不規則動詞は基本的に2グループしかありません。そこがドイツ語のドイツ語たるゆえんです。

 

●表現のポイント

日常生活と趣味をめぐる表現

人とのコミュニケーションは、自分を表現したり、知人・友人を紹介したりするところから始まります。

友達との出会い

先週は「あなたは…」、「私は…」という自己紹介を勉強しましたが、今週は第三者の紹介を中心に展開します。

 

 

Lektion 3

●文法のポイント

名詞の性と定冠詞

英語では名詞の「性」はなくなってしまいましたが、ドイツ語に限らず、ヨーロッパの多くの言語には「男性(中性)女性」などの性があります。ただしこれは、いろいろな名詞を同じ特徴のグループごとに箱に整理していったら、3つぐらいの箱に全部おさまったということで、男性・中性・女性というのは、人間以外の物事については全く必然性がありません。

名詞を覚える際には、たとえばder Bahnhofというように、定冠詞をつけて記憶するようにしましょう。

4格(目的語になる格 「~を」)

「~を」というとき、英語でもheがhim、Iがmeにかわりましたね。ドイツ語も同じで、「私を」とか「駅を」とかいうとき、若干形が変わることになります。英語のtheやaはどんな使われかたをされても同じですが、ドイツ語では男性名詞だけが、「~を」という、英語でいう目的格、ドイツ語の4格になると、たとえば定冠詞のderはdenにかわります。男性名詞の場合、4格が変化するとおぼえておいてください。

●表現のポイント

道案内と施設の名称

名詞については、とりあえずぼくたちが日常的に目にする物理的なものから始めます。第一回の今課は、街中や大学にあるいろいろな施設名です。

あわせて勉強したいのは、「道案内と方向などを伝える表現」です。要するに、右左、まっすぐ行って何本目の道を…これだけの言い方なのですが、日本人の外国語学習者は意外と苦手なものです。気楽に練習してみましょう。大学紹介なども、こんな気軽な流れで楽しくやってみてください。

 

 

Lektion 4

●文法のポイント

habenの現在人称変化

seinとhabenは英語のbeとhave同様に、ドイツ語の世界の両横綱といったところです。seinの場合と同様に、habenも英語のhaveと全く同じと考えてかまいません。

不定冠詞

先週勉強したder、das、dieの定冠詞は英語のtheにあたりましたが、不定冠詞のein、eineは英語のa、anに該当します。

定冠詞と不定冠詞の使い分けは、中学校で習った程度の英語のtheとaの違いと覚えておけばそれで十分です。もうちょっと詳しい話は、火曜日の問題発見の時間でやります。

否定冠詞のkein

英語で言えば「no ~」ですが、これはドイツ語特有の表現形態ですので、授業でしっかりと理解してください。Ich habe einen Stift.のように、不定冠詞がついた名詞はすべてkeinで否定します(Ich habe keinen Stift.)。

英語でも、money、waterなどには普通aはつきませんね。ひとつ、ふたつと数えられないからです。こうした名詞もkeinで否定します(Ich habe Geld./Ich habe kein Geld.)。

数えられる名詞を「数量名詞」、数えられないものを「物質名詞」といいますが、その見分け方はごく簡単です。半分にしても価値が下がらないのが物質名詞です。たとえば、本やペンを友達と共同でひとつだけ買って、切り分けて等分してもそれぞれに二分の一の価値はありませんね。これが数量名詞です。ところが液体や石鹸などですと、半分にしたって、その価値は半分になるだけです。お金だって、千円札を半分に切って使うことはできませんが、切った二枚を銀行に持って行けば新札と交換してくれます。真中で折れた鉛筆を文房具店に持参しても、新品と取り替えてはくれないでしょう。

 

●表現のポイント

身の回りの品とそれをめぐる表現

先週は町や大学の施設などの単語を勉強しましたが、今週は皆さんの身の回りにある名詞をまとめて勉強します。

 

 

Lektion 5

●文法のポイント

所有冠詞

「誰々の~」という、英語のmyやhisにあたる所有冠詞を勉強します。

「問題発見」でも書きましたように、「所有代名詞」という文法用語を用いる参考書や教科書が今でもありますが、これは間違いです。

気をつけていただきたいのは発音です。ihr、Ihr、unser、euerなど、語末がrで終わる所有冠詞です。単独では「イーア」「ウンザー」「オイアー」のように、rを母音のように「ア」「アー」と発音しますが、eやenの語尾がつくと、子音としてのrが復活して、「イーレ」「ウンゼレン」のようになります。

besser als …

形容詞の比較変化については先でまたまとめて勉強しますが、簡単な比較表現については、

すこしずつなれておくことにしましょう。今週まず勉強するのは、英語のbetter thanにあたるbesser alsです。使い方は英語と同じです。

ドイツ語の形容詞の比較変化は英語とほとんど同じで、形容詞の語尾にerをつけ、thanのかわりにalsを用いるだけです。gut ⇒ besserのような不規則な比較変化があるのも、英語のbetterを思い起こせば容易に理解できることです。

ただし、alt(old)⇒ älterのように、幹母音が変音することもありますが、これについては出てくるたびにチェックすることにしましょう。

 

●表現のポイント

物や人を評価する表現

すでに勉強した身の回りの品や服装を中心に、今週は「物を評価する表現」を中心に練習します。人間については、複数形とともに、次週もうすこし詳しく勉強します。

 

 

Lektion 6

●文法のポイント

名詞の複数形

ドイツ語の名詞の複数形には5つのタイプがあり、若干めんどうですが、複雑な規則としてではなく、それぞれの単語の変化形のひとつとして覚えるようにしましょう。地球上の森羅万象すべての複数形を覚えることなど無意味ですし、先生も知りません。初級の間は、テキストに出てきたものに限って覚えるだけでかまいません。

不規則動詞(2) fahren型の不規則動詞

sprechen型の不規則動詞についてはすでに第2課で勉強しました。

fahrenは幹母音のaがer / sieの三人称単数とduの二箇所でäになる、もうひとつの不規則動詞の代表です。服などを「着ている」の意味で用いたtragenも同様です。まずはこの二つの動詞の現在人称変化をしっかりと覚えるようにしましょう。

 

●表現のポイント

家族・親戚の名称

これらの名詞は人間のコミュニケーションの基本になるものです。数もさほど多くはないので、一気に覚えてしまいましょう。

人を紹介・形容・批評する表現

これもまた初級外国語のコミュニケーションの基本です。

公の席や、本人のいる前で直接こうした批評を加えることはあまりないでしょうが、環境が変われば、たっぷりと必要になるのがこの種の形容詞です。

 

 

Lektion 7

●文法のポイント

möchteの用法 

ドイツに行くと毎日何度も耳にする重要な表現ですが、助動詞の特殊な変化形のために、文法の世界ではいつもあとまわしになってしまいます。

「~がほしい」「…したい」という、日常コミュニケーションには欠かせない言いまわしですので、文法的なことは気にせずに、キーセンテンスの形で覚えてしまいましょう。

es gibt ~4  ~がある 

これもまた重要な表現で、英語でいえばthere is … などにあたります。

これについても、理屈を抜きにして、ひとつのパターンとして覚えてしまうことをおすすめします。

「なぜesがgebenすると《存在する》の意味になるのか」―地球の政治・経済・環境に何の影響も与えないこんな些細な問題に頭を悩ましているうちに、ぼくはドイツ語学者になり、かつて三田でたくさんの弟子も育てました。同じ道を歩みたい諸君は、いつでも連絡してください。

指示代名詞のder、das、die

要するに日本語の「これ」「それ」です。ドイツ語には三つの性があるので、英語のようにthis、thatだけですませるわけには行かず、とりあえずは名詞を省略して、定冠詞が単独で代表すると考えておけば十分でしょう。

 

●表現のポイント

交通機関をめぐる表現 

初級Ⅰでは、文法は若干ゆるやかにいきますが、単語はたくさん覚えてもらいます。その理由は、そのうち皆さん自身が納得されることと思います。今週のテーマは文房具です。

数をめぐる表現 

数をめぐる表現は、昔から人間のコミュニケーションの基本です。

導入コースで勉強した「数字の読み方」がまだ不充分な諸君は、至急復習しておくことをおすすめします。

 

 

Lektion 8

●文法のポイント

人称代名詞の3格

これまでに、主として「主語」になる「1格」と、「~を」という「4格」を勉強しましたが、今課からは「3格」が登場します。基本的には「~に」という、「間接目的格」にあたります。従って「物事」よりも「人に」という表現が多いのも特徴です。人称代名詞の3格、しっかりおぼえましょう。

分離動詞

英語ではcome onの on やstand upの up のように、動詞といっしょになって熟語を形成する語はたいてい動詞のすぐあとに来ます。ドイツ語ではそうしたものが文末に置かれます。

また、不定形ではこれらが「前綴り」となって動詞の頭にくっつくという特徴があります。こうした動詞を「分離動詞」といいます。以上の説明ではとうていわからないと思うので、先生の説明をよく聞き、テキストで確認してみてください。

dieserとwelcher

ものを直接示す「この~」「どの~?」という表現を勉強します。語尾変化は定冠詞とほとんど同じです。英語のthis ~、which ~と同じだと考えておきましょう。

方向を表す前置詞の表現

これまでに出てきた「~へ」という「方向を表す前置詞」の表現をまとめましょう。ここでは、zum Bahnhof「駅へ」のように、句の形で覚えておいてください。

 

●表現のポイント

交通手段に関する表現 

交通手段に関する表現を使って、乗り換えも含めて、少し複雑な説明の練習をしてみましょう。

旅行などに誘う場合の表現 

相手の都合を聞いて、ハイキングや旅行などに誘う場合の表現を練習します。

 

 

Lektion 9

●文法のポイント

名詞の3格と冠詞の格変化 

第8課で「人称代名詞の3格・4格」を勉強しましたが、今課では定冠詞、不定冠詞、所有冠詞、dieserなどの変化形を扱います。3格というのは、基本的に「~に」、と覚えておいてかまいませんが、前置詞とともに用いられる用法も重要ですので、こちらもしっかり勉強しましょう。2格については、現代ドイツ語ではさほど多く用いられるものではないので、後で扱います。

前置詞

すでにzum/zurやnachなど、方向を表す前置詞についてはいくつか習いましたが、これまでは「zum Bahnhofのような句の形でまとめて覚えましょう」とお伝えしてきました。今週からはそれをきちんとした理屈で理解していただきたいと思います。

前置詞の多くは3格か4格とともに用いられます。このほかに、3格とも4格とも用いられる前置詞がありますが、これについては第10課で勉強する予定です。

 

●表現のポイント

「人に~を」という表現

人に何かをあげたり、プレゼントしたり、見せたり、手紙を書いたり、英語のグラマーで言えば「S+V+IO+DO」の構文を勉強します。英語の文法が苦手な諸君は、この妙な数式のような横文字は忘れてけっこうです。たいしたことではありませんから。

前置詞を用いた表現

今週はうんざりするほど、前置詞と3格・4格の冠詞・名詞とを組み合わせた練習をしてもらいます。なるべく楽しくドイツ語を勉強しようというのがドイツ語研究室の教材の趣旨ですが、これだけはドイツ語の基本ですので、眠たい目をこすってでもしっかりと身につけてください。そうすると今後の勉強が楽になります。

 

 

Lektion 10

●文法のポイント

3・4格をとる前置詞

先週は3格と用いられる前置詞、4格と用いられる前置詞を勉強しましたが、今週はそのどちらの格とも結びつく「3・4格をとる前置詞」を扱います。

ポイントは「…で(に)」と静止した「場所」を表す場合には3格が来て、「…へ」と動作や方向を表す場合には4格がくるということです。inを例に英語と比較すると、英語のinの場合が3格、intoの場合が4格になります。

3格の目的語をとる動詞

8課で「3格」が登場しましたが、今課では、3格の目的語をとる動詞をおぼえましょう。「~が人に気に入る」、「~が人に属する」という表現です。主語と目的語を逆にしないようにくれぐれも注意しましょう。

指示・依頼の表現

Sieで話している場合は簡単で、動詞を文頭に置いてKommen Sie. とすればいいのですが、duで話している場合はKomm.となります。ただし、これまでならった2種類の不規則動詞のうち1つ(sprechen型の不規則動詞)はSprich.と不規則な形になりますので、注意しましょう。

werden の使い方(1)

10課と11課にwerden「なる」という動詞が出てきます。ここではまず形容詞とともに使われる場合を勉強します。

 

●表現のポイント

物の所在場所と移動をめぐる表現 

3・4格をとる前置詞を中心に「どこに…がある(3格)」「どこに行く、どこに…を置く(4格)」などの、場所と方向をめぐる表現を勉強します。

指示のしかたに関する表現 

伝統的な文法では「命令形」といいますが、実際のコミュニケーションでは「命令」よりも、むしろ「依頼」や「指示」の表現として使われることのほうが多いのではないでしょうか。今週は話し手の依頼や指示に従って聞き手が動くという状況を体験しましょう。

 

 

Lektion 11

●文法のポイント

話法の助動詞 

今週の文法は「話法の助動詞(Modalverben)」ひとつです。

「話法の(modal)」という文法用語については、スケッチの注釈のプリントに詳しく説明しておきました。要するに英語のcanやmustなどにあたる助動詞とお考えください。

話法の助動詞のポイント

① すでに勉強したmöchte(n) 同様に、話法の助動詞が2番めに、動詞の不定形が文末におかれます。ドイツ語では「2番めにおかれる語(動詞や助動詞)と直接結びつく言葉は基本的には常に文末におかれる」としっかり覚えておきましょう。

②  人称変化については、ichとer/es/sieが同じ形になり、しかも語幹がちょっと変化するだけです。語尾はつきません。duにたいしては、それに-stをつけるだけです。

werden の使い方(2)

10課にでてきたwerden、今課では名詞とともに使われる場合を勉強します。またwerdenは未来をあらわす助動詞としても使われます。助動詞としての使われ方も練習しましょう。

 

●表現のポイント

将来の職業選択 

早いうちから、そろそろこうした問題についても話し合ってみることにしましょう。どんな職業にもメリット、デメリットがあり、それを助動詞で表現するのがポイントです。

微妙なコミュニケーション表現の練習 

英語でもそうでしたが、助動詞表現を使いこなすことによって、人との多彩なコミュニケーションが可能となります。詳しくは初級Ⅱ、Ⅲで勉強しますが、このあたりでこうした表現にもなれておきましょう。

時間の表現(1) 

「今何時ですか」「何時です」といった、日常使う基本的な時間表現を勉強します。表記の仕方と読み方が違うことにも気をつけましょう。

 

 

Lektion 12

●文法のポイント

動詞の3基本形と現在完了形 

欧米言語の文法は、ここまで来るとだいたい半分以上をすぎたというところです。

まずは英語にもあった「不定形・過去形・過去分詞」という、動詞の「3基本形」の構造をしっかりと覚えることにしましょう。ただし、このあとでお話しするような理由で、今学期は過去形は覚えなくてかまいません。そのかわりに「過去分詞」だけはしっかりと身につけてください。

ドイツ語の現在完了形

ドイツ語の日常口語では過去の話はほとんど「現在完了形」で表現されます。

ですから、今学期はまず現在完了形をつくるために必要な「過去分詞」をあつかいます。「過去形」はもっぱら書き言葉、身近なところでは新聞・雑誌、小説などで用いられますが、これについては初級Ⅱであらためて勉強することにしましょう。

今課については、過去の話は基本的に現在完了形を使って、Ich habe …, Haben Sie …?, Hast du …? などのようにhabenと過去分詞の組み合わせで展開すると考えていただいてけっこうです。

seinで現在完了形を作る動詞

「行く」、「来る」など「場所の移動」を表す動詞や、「…になる」など「状態の変化」を表す動詞はseinで現在完了形を作ります。

 

●表現のポイント

過去の行動や体験の話 

先課で勉強した「話法の助動詞」と今課の「現在完了形」で、皆さんのドイツ語のコミュニケーションも立体的になっていきます。

時間の表現(2)

時間の表現として、11課で何時何分といういい方を覚えましたが、今課では何時何分前とか何時半といった言い方をおぼえましょう。日常生活ではこのような表現の方が多く使われます。